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「スマホに時間を奪われる」時代に、読書時間を買い取るHCMCにあるカフェの挑戦

  • 執筆者の写真: KBC-LINK Editor
    KBC-LINK Editor
  • 10月30日
  • 読了時間: 2分

~読書の秋に考える、新しい文化ビジネスの形~


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読書離れが進む日本社会に、ホーチミン発のユニークな “読書推進カフェ” が問いかけるもの


読書週間( 10 月 27 日 〜 11 月 9 日 )を迎える今、改めて「 本を読む時間 」を見つめ直したい。ベトナム・ホーチミン市のカフェ「 Sam-Art Books & Coffee 」では、読書100時間を達成した来店者に報酬を進呈するというユニークなプログラムを導入し、話題を集めています。


日本では、スマートフォンや SNS の普及により、若者を中心に読書離れが急速に進んでいます。文化庁の 2023 年度「 国語に関する世論調査 」によると、1 か月に 1 冊も本を読まない人が 63% に達し、過去最多を更新。「 読書量が減っている 」と答えた人も 69% に上り、その理由の多くが「 情報機器で時間を取られる 」ことでした。


SNSの短い投稿や動画に囲まれ、腰を据えて本を読む時間が減る中で、「 深く考え、内省する時間 」が失われつつあります。この傾向は子どもや若者だけでなく、大人にも広がっており、社会全体で「 活字文化の衰退 」が懸念されています。


そんな中、ベトナム・ホーチミン市の「 Sam-Art Books & Coffee 」が始めたのが「 100 時間読書チャレンジ 」です。店内で読書を 100 時間行うと、参加者には報酬として 500,000 VND( 約 2,000 円相当 )が進呈されるそうです。静かな空間と快適な座席、豊富な蔵書を備え、来店者が集中して本と向き合える環境を提供。「 読書を楽しい習慣に変える 」ことを目的とした、文化とビジネスが融合した取り組みです。


このカフェの試みは、単なる報酬制度ではなく、「 人々が再び本に向き合う時間を取り戻す 」ためのきっかけづくり。読書の秋にふさわしいこのニュースは、日本社会にも大切な示唆を投げかけているように思いました。


KBC-LINKの視点:

今回の事例は、ひとつのカフェによる小さな試みですが、「 社会課題をどう捉えるか 」という視点で見るとビジネスのヒントを与えてくれているようです。課題を “ 問題 ” として嘆くのではなく、“ 新しいビジネスや仕組みを生み出す起点 ” として捉える——。その発想の転換こそが、今後の社会や市場を動かす原動力になると KBC-LINK  は考えます。今後も「 文化 × ビジネス × 社会課題 」の交わる地点から、ベトナムのリアルな動きを紹介していきます。


【出典】


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