【連載】隣国カンボジアの“今”
- 11 時間前
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第4回 週末で行ける、シェムリアップとバッタンバンの今

2026年 3月 5日からKBC-LINK編集部よりベトナム在住日本人の皆さまへ向けて、隣国カンボジアの “今” をお届けする連載がスタートしました。今回は第4回目。
現地で6年勤務されている銀行のジャパンデスク担当者の視点から、実務と生活の両面で見えるリアルな情報をお届けします。
🔰 連載について・筆者紹介
はじめまして。カンボジア、プノンペンにて ABA銀行ジャパンデスクを担当しております飯田と申します。このたびご縁をいただき、ベトナム在住の皆さまに向けて、隣国カンボジアの “今” をお伝えする連載をスタートさせていただくことになりました。現地で働き、生活して今年で6年目を迎えます。カンボジアといえばやはり世界遺産のアンコールワットを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。実務の現場と日常の両方から見えるリアルなカンボジアの情報をお届けできればと思っています。 |
カンボジアで生活をしていると、週末を利用して地方都市へ出かけることがあります。最近は夜行バスや長距離バスもかなり快適になってきていて、金曜日の仕事終わりにプノンペンを出発し、朝6時頃に到着してそのまま一日をスタートする、という過ごし方もしやすくなりました。
私自身も、金曜日の夜に出発して、土曜日を丸一日観光に使い、日曜日は午後発の「ファーストクラス」タイプのバスでゆっくりプノンペンへ戻ることがあります。座席が広くリクライニングできるだけでなく、マッサージ機能付きのシートや充電設備、車内トイレが備わっており、軽食も提供されます。車内にトイレがあることで休憩回数が少なく、その分到着も比較的早い印象です。料金は通常のバスより高めではありますが、それでも飛行機よりは利用しやすく、最近ではプノンペン〜ホーチミン間など、路線も少しずつ広がっているようです。日曜日の夜までに帰宅できると、月曜日の仕事にもそこまで影響しないため、以前よりも「週末だけ地方へ行く」という選択肢が身近になったように感じます。
今回は、その中でも私が好きなシェムリアップとバッタンバンについてご紹介したいと思います。
観光地だけではない、シェムリアップの今
シェムリアップといえばアンコールワットを思い浮かべる方が多いと思いますが、最近は以前よりカフェやレストランの数が増え、欧米系の長期滞在者やリモートワーカーの姿もよく見かけるようになりました。街全体の時間の流れもどこかゆったりしていて、プノンペンとはまた違った空気があります。
実は、カンボジア在住者は2年以上滞在していると、アンコール遺跡群に無料で入場できる特別パスを申請できる制度があります。在住者のための少し面白い制度の一つだと思います。
最近は、金曜日の夜行バスで移動し、朝日を見ながら一日をスタートするような過ごし方も気に入っています。朝早い時間のアンコールワット周辺は比較的涼しく、昼間とはまた違った静かな雰囲気があります。
観光で訪れる場合は、限られた時間の中で定番の「アンコールワットが見える場所」から夕日を見る方も多いと思いますが、何度も訪れていると、遺跡そのものが見えなくても、少し高い場所から景色や夕日を眺める時間の方が印象に残ることもあります。

在住者向けのパスで自由に入れるからこそ、新しいスポットを探す楽しさもあり、少しずつ自分なりの過ごし方が増えていくのも、シェムリアップの面白さの一つです。
以前と比べると観光客数はまだ完全には戻っていないとも言われていますが、その分、以前よりもゆっくり街を楽しめるようになった印象もあります。観光地というより、「滞在する街」へ少しずつ変わってきているのかもしれません。
手作業の文化が残る、バッタンバン
一方で、バッタンバンはまた違った魅力のある街です。
個人的に印象に残っているのは、「ものづくり」が今も生活の中に自然と残っていることでした。ライスペーパーづくりが有名なエリアでは、各家庭が家の前でライスペーパーを手作業で作り、天日干ししている様子を見ることができます。観光施設というより、本当に人々の生活の一部として残っている風景です。
カンボジア料理に欠かせない淡水魚を塩漬けにし発酵させたペーストの「プロホック」を作っているエリアもあり、市場のような場所で実際の製造風景を見ることもできます。最初は独特の匂いに驚きますが、こうした食文化もカンボジアらしさの一つなのだと思います。

また、スーパーなどでよく見かける「ナエム」という発酵食品も印象に残っています。魚のすり身を小さな袋に一つひとつ手で詰め、発酵させて作るもので、食べるとかまぼこのような食感で、個人的にも好きなローカルフードの一つです。
実際に作っている様子を見ると、今でも手作業で作られているものが多く、こうした食文化が日常の中に自然と残っているところも、バッタンバンの面白さだと感じます。
地方都市ではありますが、最近はGrabでトゥクトゥクを呼ぶこともでき、移動に困る場面はほとんどありません。スマートフォン一つで移動できる便利さは、数年前と比べてもかなり変化した部分だと感じます。
シェムリアップとバッタンバンは、どちらもプノンペンから5〜6時間ほどで行くことができ、週末だけでも十分に楽しめる距離感です。
観光地として有名な場所だけでなく、こうした街の日常や、人々の暮らしの中に触れることで、また違ったカンボジアの魅力が見えてくるのかもしれません。
飯田さんの耳よりカンボジア情報:
■ カンボジア在住者はアンコール遺跡を無料で利用可能?
カンボジアでは、2年以上在住している外国人向けに、アンコール遺跡群へ無料入場できる特別パス制度があります。在住者だからこそ「観光」ではなく、夕日を見に少し立ち寄るなど、日常の延長として遺跡を楽しむ感覚があるようです。在住者ならではの嬉しい制度です。
KBC-LINK注目ニュース:
ABA銀行ジャパンデスクの飯田さんと読み解く「カンボジア経済の今」
■ 観光都市シェムリアップ、“次の魅力”を模索
シェムリアップでは現在、観光客数の回復鈍化を受け、観光産業の新しい方向性づくりが進められています。
航空便不足や航空券価格の上昇に加え、近年の国際報道によるイメージ面の影響などもあり、観光関連事業者の一部では厳しい状況が続いていると報じられています。
その一方で、現地では、コミュニティ観光、長期滞在型観光、地方エリア開発、デジタルチケット導入など、「観光地」から「滞在する街」への転換も進みつつあります。
飯田さんの記事でも紹介されているように、以前よりもゆったりと街を楽しめる空気感や、観光以外の日常の魅力に価値を感じる人も増えているのかもしれません。
筆者プロフィール

飯田 麻美
カンボジア在住6年目。
ABA銀行ジャパンデスクにて、日本人および日系企業のカンボジア展開に関わるサポート業務を担当しています。
金融実務の現場で見える経済の動きと、生活者として感じる街の変化。その両方の視点から、まだ知られていないカンボジアの面白さを発信します。
連絡先
メール: oriental_desk@ababank.com
次回(第5回)予告
銀行員・飯田さんの「週末で行ける!プノンペンから行くおすすめ観光スポット②」を来月お届けの予定です。お楽しみに!
KBC-LINK編集部注記
※本記事は寄稿コンテンツです。
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