【連載】隣国カンボジアの“今”
- 3 日前
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更新日:2 日前
第3回 カンボジア生活のリアルQ&A
~治安・お金・医療・生活費~

2026年 3月 5日からKBC-LINK編集部よりベトナム在住日本人の皆さまへ向けて、隣国カンボジアの “今” をお届けする連載がスタートしました。今回は第3回目。
現地で6年勤務されている銀行のジャパンデスク担当者の視点から、実務と生活の両面で見えるリアルな情報をお届けします。
🔰 連載について・筆者紹介
はじめまして。カンボジア、プノンペンにて ABA銀行ジャパンデスクを担当しております飯田と申します。このたびご縁をいただき、ベトナム在住の皆さまに向けて、隣国カンボジアの “今” をお伝えする連載をスタートさせていただくことになりました。現地で働き、生活して今年で6年目を迎えます。カンボジアといえばやはり世界遺産のアンコールワットを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。実務の現場と日常の両方から見えるリアルなカンボジアの情報をお届けできればと思っています。 |
カンボジアでは毎年4月にクメール正月で連休があり、街全体がお祝いムードに包まれます。今年(4月14日〜16日)もプノンペン市内では郵便局前に大きなスライダーが設置されるなど、各地でイベントが行われ、多くの人で賑わっていました。

私は連休を利用してシェムリアップを訪れていましたが、中心地のパブストリート周辺は近づくのも難しいほどの混雑で行くことができず、パブストリートへ向かう途中の通りで水かけに参加しました。にぎやかな通り沿いでは、家やお店の前にいる人たちがホースで直接水をかけ、そこをひっきりなしに通るピックアップトラックやバイクと、夕方から夜11時過ぎまで、ほぼノンストップで水の掛け合いが続いていました。

ニュースによると、この期間中にシェムリアップには約200万人が訪れたとも言われており、改めてカンボジアの活気を感じる機会となりました。
カンボジアで働いていると、「実際どうなんですか?」とよく聞かれることがあります。今回は、これまで多くいただいた質問の中から、生活に関わるポイントをいくつかご紹介したいと思います。
■ 治安は大丈夫?
プノンペンでの生活は、基本的には「普通に過ごしていれば安全」だと感じています。特にコンドミニアムなどは24時間のセキュリティが整っているところが多く、安心して生活できる環境です。
一方で、銀行で働いていると、スマートフォンの紛失や盗難に関するご相談を毎月数件いただくのも事実です。どこの国でも同じですが、貴重品の管理など基本的な注意は必要です。
また、地方ではいまだに家の扉はあるものの、鍵はなく鍵をかける習慣がないような地域も多いです。都市と地方での生活環境の違いも、カンボジアの特徴の一つだと感じます。
■ 通貨はドル?リエル?
カンボジアでは米ドルが流通しており、日常生活の多くはドルで完結します。ただし最近は、リエルの利用を促進する動きも強まっています。
スーパーでの価格表示がリエルに切り替わったり、銀行でもリエル口座の開設が求められるようになったりと、少しずつ変化が見られます。一部の企業では給与をリエルで支払うケースも出てきており、自国通貨の利用を広げていく流れが進んでいると感じます。
■ 医療は大丈夫?
日系の医療機関やインターナショナルクリニックが増え、日本語や英語で診療を受けられる環境が整ってきています。海外旅行保険に対応している施設も多く、キャッシュレスで受診できるケースもあります。
一方で、より高度な治療が必要な場合には、近隣国での受診を選ぶ方もいます。日常的な体調管理や軽い症状への対応であれば、安心して利用できる環境は整ってきていると感じます。
■ 生活コストは高い?
生活コストは、ここ数年で上がっていると感じます。ドルベースで生活していると変化を感じにくい部分もありますが、日本円で考えると為替の影響もあり、体感としては上昇しています。
例えばコーヒー一杯でも、現地での価格自体は大きく変わっていなくても、円換算すると以前より高く感じることがあります。
また最近ではガソリン価格の上昇の影響で、長距離バスの料金が上がっているケースもあり、日常生活の中でも少しずつ変化を感じます。(今回のプノンペン~シェムリアップ間のバスは以前より一人当たり2ドル上昇していました)
こうして見ると、カンボジアは「安心して生活できる環境が整いつつある一方で、まだ発展の途中にある国」と言えるかもしれません。だからこそ、ルールや環境の変化も含めて、この国の「今」を感じることができるのだと思います。
KBC-LINK注目ニュース:
ABA銀行ジャパンデスクの飯田さんと読み解く「カンボジア経済の今」
■ リエル推進政策が本格化——銀行セクターで給与のリエル払いがスタート
飯田さんの記事でもご紹介のあったリエル利用促進の動きは、今まさに政策の転換点を迎えています。2026年よりカンボジアの銀行セクターで給与のリエル払いが段階的に開始され、今年中に銀行員の25%以上をリエル払いに移行することが目標とされています。
この動きは、すでに現場レベルでも実感されています。飯田さんご自身が勤めるABA銀行は現在も100%USD支給ですが、飯田さんのご友人が勤める銀行では給与の50%がリエル払いになっているケースや、すでに100%リエル払いに移行済みの銀行もあるとのことです。同じ銀行業界の中でも、対応状況にばらつきがあるのが現状のようです。
また、デジタル決済面でもリエルの存在感が急速に高まっており、国立銀行のBakongシステムにおけるリエル建て取引は2024年に前年比3倍以上に拡大しています。飯田さんが感じている「少しずつ変化している」リエルの日常は、カンボジアが長年取り組む「脱ドル依存」政策の着実な前進でもあります。
筆者プロフィール

飯田 麻美
カンボジア在住6年目。
ABA銀行ジャパンデスクにて、日本人および日系企業のカンボジア展開に関わるサポート業務を担当しています。
金融実務の現場で見える経済の動きと、生活者として感じる街の変化。その両方の視点から、まだ知られていないカンボジアの面白さを発信します。
連絡先
メール: oriental_desk@ababank.com
次回(第4回)予告
銀行員・飯田さんの「週末で行ける!プノンペンから行くおすすめ観光スポット①」を来月お届けの予定です。お楽しみに!
KBC-LINK編集部注記
※本記事は寄稿コンテンツです。
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