【連載】隣国カンボジアの“今”
- 3 日前
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第6回 若い国・カンボジアで今起きていること

2026年 3月 5日からKBC-LINK編集部よりベトナム在住日本人の皆さまへ向けて、隣国カンボジアの “今” をお届けする連載がスタートしました。今回は第6回目。
現地で6年勤務されている銀行のジャパンデスク担当者の視点から、実務と生活の両面で見えるリアルな情報をお届けします。
🔰 連載について・筆者紹介
はじめまして。カンボジア、プノンペンにて ABA銀行ジャパンデスクを担当しております飯田と申します。このたびご縁をいただき、ベトナム在住の皆さまに向けて、隣国カンボジアの “今” をお伝えする連載をスタートさせていただくことになりました。現地で働き、生活して今年で6年目を迎えます。カンボジアといえばやはり世界遺産のアンコールワットを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。実務の現場と日常の両方から見えるリアルなカンボジアの情報をお届けできればと思っています。 |
「カンボジアには若い人が多いんですか?」と聞かれることがありますが、カンボジアは国民の半分が27歳以下という、とても若い人口構成を持つ国です。日本の平均年齢が約50歳であることを考えると、20年以上も若い世代が国の中心となって社会を動かしていることになります。カンボジアで暮らし、働いて今年で6年目になりますが、この「若い国」のエネルギーを日々感じています。 街を歩けば新しいカフェやお店が次々とオープンし、若い起業家と出会い、新しいデジタルサービスが日常に溶け込んでいく。変化のスピードがとても速く、「また新しいことが始まったな」と感じる出来事が日常茶飯事です。
先日、ASEANチャンピオンシップ(サッカーの東南アジア国際試合)のカンボジア代表戦を観に、市内から1時間ほどかけてスタジアムへ行ってきました。 結果は惜しくも負けてしまいましたが、スタジアムを埋め尽くす若者や子どもたちの歓声と熱気が本当にすごかったです。

カンボジアの勢い
最近のニュースで印象的だったのは、2026年1月から5月までの5か月間で、新たに約650社の企業が登録されたというニュースです。単に会社の数が増えれば良いというわけではありませんが、新しく挑戦する人が増えていることは、カンボジアの勢いを感じさせます。
その背景には、若い人口だけでなく、起業家を支えるエコシステムの広がりがあります。 例えば、政府系機関のKhmer Enterpriseでは、スタートアップ向けのアクセラレーションプログラム、投資家とのマッチングなどが積極的に行われています。また、日本人にも馴染みのあるCJCC(カンボジア日本人材開発センター)でも、アクセラレーションプログラムや日本式のビジネス研修が実施され、多くの若手経営者が学びの場として活用しています。「起業したい」と思った時に相談できる場所や、学べる環境が少しずつ整ってきていることも、カンボジアの変化の一つではないでしょうか。
「Made in Cambodia」を誇りに思う気持ち
また、最近はニュースや会話の中でも、「Made in Cambodia」という言葉を耳にする機会が増えました。 カンボジアは現在も輸入依存度が高い国ですが、その一方で「自国で良い製品を作り、世界へ発信しよう」という若い世代の意欲を強く感じます。街中では洗練されたデザインのローカルブランドのカフェ、国産農産物を活かした加工食品などを見かけるようになりました。 単に海外の真似をするのではなく、「カンボジアだからこそ生み出せる価値」を模索し、発信する若手経営者の姿には、私自身も日々刺激を受けています。

デジタルネイティブが国を変えている
カンボジアの日常を語る上で欠かせないのが、急速に進むデジタル化です。カンボジア中央銀行が主導するブロックチェーン基盤の決済システム「Bakong(バコン)」や共通QRコード「KHQR」の普及により、現在では屋台の1ドルのコーヒーから大型スーパーでの買い物まで、スマホ一つで決済が完了します。現金を持たずに生活することが当たり前になりました。フィンテックについては次回以降の連載で詳しくご紹介できればと思います。
海外で学び、自国へ戻る「帰国組」の存在
もう一つ、今のカンボジアを語る上で重要なのが、海外留学や海外勤務を経て帰国した人たちの存在です。実は、フン・マネット首相自身も留学経験者です。トップ層に限らず、日本を含む海外へ渡り、専門知識やグローバルな感覚を身につけて帰国する若者が近年急速に増えています。王立プノンペン大学外国語学部(IFL)をはじめとする教育機関でも外国語教育が盛んで、日本語を自在に操り、日系企業とカンボジアを繋ぐ優秀な人材にも数多く出会います。 海外で学んだ経験を持つ若者が、新しい価値観を持ち帰り、起業したり企業で活躍したりする姿を見ることも、この国の未来への期待につながっています。
私はよく、「どうしてカンボジアが好きなんですか?」と聞かれます。理由はいくつかありますが、一番しっくりくる答えは「日々、自分の世界が少しずつ広がるから」です。住んで6年経った今でも、新しい人と出会い、新しいビジネスを知り、「そんな視点や解決策があるのか」と驚かされる日々が続いています。
飯田さんの耳よりカンボジア情報:
■ ローカルブランドのカフェ、プノンペンで存在感
プノンペン市内では、カンボジア発のローカルカフェチェーンも育っています。国内40店舗以上を展開する「BROWN Coffee and Bakery」は、洗練された空間デザインで在住外国人や地元の若者に広く愛される王道ブランド。次いで店舗数が多いのが「Tube Coffee」で、ミニマルなインテリアと手頃な価格帯のドリンクで若者を中心に人気を集めています。
■ スターバックスの、ちょっとサステイナブルな一面
普段よく利用するというオフィス近くのスターバックスでは、使用済みのコーヒーかすが無料で持ち帰れるように置かれていることがあるそうです。ガーデニングの肥料などに活用できるとのことで、身近なところにもサステイナブルな取り組みが広がりつつあるようです。

KBC-LINK注目ニュース:
ABA銀行ジャパンデスクの飯田さんと読み解く「カンボジア経済の今」
■ 躍進するカンボジア:今年前半だけで650社が新規登録!
飯田さんの記事でも触れられている650社という数字。その背景を少し詳しく見てみると、事業所数は全国で47,299件に増加し、雇用者数は約230万人(うち女性約130万人)に達しています。政府による投資ルールの見直しや手続きの簡素化が、国内外からの投資を後押ししている形です。今後、製造業の受注や輸出が伸びれば、雇用のさらなる拡大にもつながると期待されています。
筆者プロフィール

飯田 麻美
カンボジア在住6年目。
ABA銀行ジャパンデスクにて、日本人および日系企業のカンボジア展開に関わるサポート業務を担当しています。
金融実務の現場で見える経済の動きと、生活者として感じる街の変化。その両方の視点から、まだ知られていないカンボジアの面白さを発信します。
連絡先
次回(第7回)予告
銀行員・飯田さんの「???」を来月お届けの予定です。どんなテーマになるか、どうぞお楽しみに!
KBC-LINK編集部注記
※本記事は寄稿コンテンツです。
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